ACジャパンのCMとは？なぜ差し替わる？どんな団体か徹底調査してみた

CMで時々耳にする「ACジャパン」という名前。そもそもどういう組織なのか、知らない人もいるのではないでしょうか。今回はACジャパンのCMが放送される理由についてやどんな団体なのかなど調査しました。

ACジャパンとは

ACジャパンとは、日本で様々なメディアを通した公共広告により啓発活動を行っている公益社団法人です。公益社団法人というのは公益、つまり社会一般のための利益のための事業を行い、行政庁により公益認定された社団法人のことを指します。世のため人のための活動を行っている組織という印象でしょうか。言われてみると、ACジャパンのCMとは「挨拶を推進するCM」だったり、「寄付活動を推進するCM」だったり、道徳的な内容のものが多いですよね。

参考サイト：公益社団法人ACジャパン

ACジャパンはどのようにして成り立っている？

ACジャパンの組織の運営は全国の企業や団体、一般個人による会費制で成り立っており、税金は使用されていません。会員は広告を取り扱う企業(広告主となる一般企業や放送業界、新聞業界、広告業界など約1000社)が該当する正会員、正会員社の事業所である会員を指す賛助会員、そしてACジャパンの活動に賛同する個人を対象とした個人会員から成り立っています。会員企業からは1口12万円、賛助会員からは1口6万円、個人会員からは年6000円の年会費を集め、資金としています。

ACジャパンはどうして設立された？

ACジャパンの前身、関西公共広告機構は高度経済成長期に人々の生活水準が向上した一方で「企業の社会的責任」が問われるようになったことから設立に繋がっています。1969年に設立者、佐治敬三氏がアメリカの広告会社を訪れ、アメリカACの存在を知ったのが関西公共広告機構設立のきっかけなんだそうです。佐治敬三氏は「広告は人を説得するための最も強力な手段」と考えていた方で、自身が広告を手段に商売をしてきた大企業の社長だったこともあり、広告を用いて公共の問題について社会に訴えていくことで広告に「お返し」をしたいとも思っていたそうです。

ACジャパンの現在の幹部は？

ACジャパンの現在の理事長はサントリーホールディングス代表取締役の副社長、鳥井信宏さんです。副理事長には河北新報社代表取締役社長の一力雅彦さん、株式会社電通相談役の石井直さん、株式会社テレビ朝日取締役副社長の角南源五さんが名を連ねています。

なお、現在ACジャパンは東京都中央区に主たる事務所を置き、他に札幌市中央区、仙台市青葉区、名古屋市中区、大阪市西区、広島市中区、福岡市中央区、那覇市にも事務局を置いています。

ACジャパンのCMが放送される理由とは？

ACジャパンのCMは無料で放送されており、基本的に民放のテレビ番組のCM枠に空きが生じた場合に放送されます。特別な事情が無い場合は、一番組の間に数回ACジャパンのCMが放送されるぐらいのものでしょう。企業がCMの出稿を自粛した場合、そこへACジャパンのCMが放送されることになります。そのため、2011年の東日本大震災の時のように多くの企業がCM放送を自粛する流れになった時にACジャパンのCMが多く放送されることになります。

2025年のフジテレビの件

そもそも最初から企業がCM枠を買わないことで空き枠が生じる場合は、そこにACジャパンのCMを流すことは出来ません。その場合、日本民間放送連盟や日本広告審査機構(JARO)のCM、自局の番宣のCMなどで代替することになります。

2024年から2025年にかけてのフジテレビのトラブルでは、当初多くの企業がCM出稿を取りやめ、その間フジテレビでは多くのACジャパンのCMが放送されました。しかしある程度時が経ち、各企業とのCM契約期間が終了して新たにCM枠が購入されないという時期になると、ACジャパンのCMとは別の、自局の番組や映画のCMが多く放送されるようになりましたね。